MATCH REVIEW 2021-2022 SEASON #03

2021.6.19 sat フウガドールすみだ vs ボルクバレット北九州

写真と共に振り返るマッチレビュー。ホーム2戦目、ボルクバレット北九州戦を振り返る。

会場:墨田区総合体育館(438人)

スコア:5-1(3-1 2-0)

得点:鬼塚祥慶(36秒、7分23秒、11分46秒)石黒紘久(38分14秒) 中田秀人(39分55秒)

メンバー:諸江 岡村 宮崎 田口 畠山 村上 栗本 渡井 鬼塚 石黒 北村 岸 崔 中田

11日に続き、2週連続でのホームゲームとなったフウガ。

前節は名古屋オーシャンズを相手に好ゲームを展開するものの敗戦。

“勝ち点3をホームのみなさんに届けることが使命”と語った田口の言葉の通り、今度こそ今シーズンホーム初勝利をあげたいフウガは、清水誠也を擁するボルクバレット北九州を迎えての一戦となった。

北九州は前節に昨シーズン2位のバサジィ大分にも勝利しており、北九州の徹底されたプレースタイルに、荻窪監督は堅い試合展開になるかもしれないとゲームを予想していた。

しかし、そんな予想を裏腹に試合開始早々からゲームは動く。

フウガのスタートはGK石黒FP諸江、岡村、田口、北村の5人、高い位置からのプレスからボールを奪い、シュートに持ち込むシーンを作ると開始35秒。

右サイドで得たコーナーキック、田口がペナルティエリアに侵入したところに北九州・前鈍内がブロックを試みるが、このプレーでブロックしようとした肘が田口の顔に入り、PKの判定。

このPKを自らキッカーに志願した鬼塚がゴール左に決め、試合開始1分経たずしてフウガ先制に成功する。

畠山、栗本、渡井、中田のセットに替わっても強度の高いディフェンスからシュートチャンスを作るフウガは栗本が右サイドでボールを奪ってパス、ゴール前フリーの中田が左足を振り抜くもこれは北九州・小島に防がれる。

早く追いつきたい北九州は清水や樋口といった大型のピヴォにボールを入れて攻撃の形を作っていこうとするが、フウガの体を張った守備で満足に仕事をさせない。

しばらく押し込まれる時間も続いたが集中を切らさないフウガは、7分に相手コーナーキックのこぼれ球を拾ってカウンター。
田口がハーフウェーライン付近からのロングシュートを放ちコーナーキックを得る。

このタイミングでフウガはセットチェンジ。

キッカーは中田、ペナルティマーク付近にポジションをとる畠山にボールを通す。

畠山は相手に寄せられながらもそのボールをキープし、背後に走りこんでくる鬼塚にボールを渡そうと倒れこみながらもしっかり足元にボールを残す。

鬼塚がワンタッチでボールを動かしフリーな状態で左足シュート、貴重な追加点がゴール左に突き刺さった。

“練習でやっているセットプレーの形のバリエーションがうまくいった”と鬼塚が話すようにデザインされたプレーで2点差とする。

試合開始8分で2ゴールをあげた鬼塚は、得点直後のプレーでも前線でボールをカットして自らシュートを放つ。これはキーパー正面であったが3点目を感じさせる勢いあるプレーを見せた。

互いに強度の高いプレスを掛けてゲームを有利に運ぼうと攻防が続くなか、フウガは1stセットに宮崎、2ndセットに村上を加えて強度を保ちながら更なる得点を狙いに行く。

すると12分、自陣右サイドからのキックイン。

中田が村上とのパス交換から相手左サイドの裏のスペースへロングパス。

“カツ(中田)と直前にあのスペースを狙おうと話していた”という発言通りに綺麗に相手の裏を取った鬼塚は、落ち着いてボールをトラップすると、距離を詰めてきたキーパー小島のポジションを見極めて右足でループシュート。

顔をゴール反対方向に向けたノールックシュートは小島の左肩上をかすめてゴール右に吸い込まれた。

鬼塚はこのゴールで自身初のFリーグでのハットトリックを達成。
笑顔と共に客席を煽るゴールパフォーマンスでホームの雰囲気をより1つにする。

このまま無失点で第2ピリオドへ折り返したいフウガではあったが、16分に北九州・田村に強烈なミドルシュートを決められて1点を返されてしまう。

そのまま3-1で第1ピリオドが終了し、2点のリードで第2ピリオドへ折り返すこととなった。

第1ピリオド残り5分くらいから自分たちでもフワフワしたところがあったというチームに対し、ハーフタイムのロッカールームで石黒が“しっかり自分たちで締めてやっていかないといけないぞ”と声をかけた。

“そう言ってくれたおかげで雰囲気が変わって、もう一度守備を締め直してがんばれた”と鬼塚は振り返った。

そうして臨んだ第2ピリオド、点差は2点あるもののゲーム内容としては北九州の攻撃を耐える場面も多く、拮抗した状態が続く。

それでも集中したディフェンスから、24分に北村がインターセプトしてカウンターでのミドルシュートや北村、中田、鬼塚とピッチを広く使ってボールをつなぎ、最後は鬼塚が惜しくも右にそれるシュートを放つなど北九州ゴールへ迫る。

1分後にも畠山のボール奪取から中田がキーパーと1対1となるも決めきれず、スコアを動かすことができなかった。

逆に27分には、この試合ゴールを許している北九州・田村がコーナーキックからボレーシュートを放つ。

このシュートはシュートコースに入った諸江の体にあたって軌道が変わりポストに直撃、なんとか難を逃れた。

その後、互いにゴール前には迫るものの決定的なシーンは生まれないまま試合は経過していく。

試合時間が残り3分半を切ったところで北九州がパワープレーを開始、前節名古屋戦でパワープレーによって決勝点を決められているフウガにとっては何としてでも守り切りたいところ。

残り2分46秒、北九州パワープレーから左サイド奥にボールが入り、ゴール前への折返しのボールを石黒がキャッチ。右足でのパワープレー返しはゴール右へ外れる。

その1分後、今度は右サイドからの北九州のパワープレーによるボールを石黒がキャッチ。

縦に蹴り上げるようなキックで放たれたパワープレー返しはきれいな弧を描いてゴールイン。
試合を決定づける4点目のゴールとなった。

このゴールにとどまらず、残り5秒には再びパワープレー返しから中田が右足で冷静にゴールを決めてダメ押し弾。

終わってみれば5-1の快勝で荻窪フウガの記念すべきホーム初勝利となった。

試合後にはスタンドをバックに記念撮影。

田口の勝ち点3をホームに届ける約束は果たされ、ホームのファン・サポーターと共に喜びを分かち合った。

ハットトリックの活躍でこの試合のヒーローとなった鬼塚はそれでも、“後半(第2ピリオド)はもっと決めれるシーンがあったので、そこで決められないと今後に響いてくる。決定力をあげていきたい”と自身の気を引き締めて、次節へ意気込んだ。

26日はアウェイ湘南戦。

昨シーズンはリモートマッチのため、ホームでの湘南の力を味わっていないフウガ。
アウェイ小田原に乗り込み、2連勝を掴みに行く。