MATCH REVIEW 2021-2022 SEASON #01

2021.6.5 sat フウガドールすみだ vs ボアルース長野

ファンクラブ限定のマッチレビュー。荻窪新監督の初陣、ボアルース長野戦を振り返ります!

会場:ホワイトリング(428人)

スコア:2-1(0-1 2-0)

得点:中田秀人(24分29秒) 岡村康平(39分46秒)

メンバー:諸江 岡村 宮崎 田口 畠山 村上 栗本 渡井 石黒 北村 岸 崔 中田

2021年6月5日、荻窪監督が新監督に就任し、迎えたシーズン開幕戦。

今シーズンは監督の交代だけでなく、フィジカルの強さを活かしたプレーで貢献した森村、そしてフウガの攻撃の中心選手であったガリンシャの退団もあり、多くの期待や不安も入り混じったなかで迎える一戦となった

相手はボアルース長野。
昨シーズンは1勝1分けと勝ち越してはいるものの、いずれも厳しいゲーム内容であった相手に対して荻窪監督率いる新生フウガがどう挑むのか。

17時15分、ついにキックオフの笛がなった。

 

フウガのスタートはGK石黒にFP諸江、岡村、田口、北村。

序盤からフウガがパスを回していくと、諸江が右サイドでパラレラの動きから抜け出しシュートを撃つも相手GKにブロックされる。

その後もバーに嫌われるが、右コーナーキックから田口が強烈なシュートをニア上に放ち、フウガが攻勢に出る。

セットチェンジで畠山、栗本、渡井、中田にピッチに入り、1stセットの勢いのままに得点を狙いたいところであったが、先にゴールを決めたのは長野であった。

 

右サイド、後ろ向きでボールをキープした相手に対して渡井が強く寄せに行くも、反転で入れ替わられ突破を許す。

そのままドリブルから撃たれたシュートに石黒が触れるもボールはゴールマウスに転がりゴールイン。

荻窪監督も”予定していなかった”と話す、開始3分29秒での失点となった。

この失点がフウガにとって大きな重圧としてのしかかったのか、思ったようにボールが回らず、ミスでプレーが途切れてしまうシーンも見受けられ、5分にはカウンターから撃たれたシュートがポストを叩くピンチもあった。

なんとか長野ゴールに迫りたいフウガはこれまでベースとしてきたピヴォを使った動き(3-1)だけでなく、4人が流動的にポジションを変えながらパスを回していく動き(4-0:クワトロ)も取り入れながら攻め手を作っていく。

徐々に長野陣内へ押し込めるシーンも出てくるが、決定的なシーンを作ることができないまま第1ピリオドも15分近くが経過した。

 

だが、ここで第1ピリオド最大のチャンスがフウガに訪れる。

フウガ陣内で畠山がボールをカットすると、そのままドリブルでピッチ中央までボールを運ぶ。

相手はFPが1枚に対して、左サイドに渡井、右サイドに栗本が駆け上がり3対1の状況。畠山は左の渡井にパスを選択、渡井はそのボールをダイレクトで右の栗本へパスを出した。

栗本はそのボールにスライディングで合わせるもシュートはゴール右へ外れてしまい、チャンスをものにできなかった。

それでも、このシーンを皮切りに北村や田口、中田のシュートシーンも生まれ、再びフウガが攻勢に出る。その分、カウンターを受ける場面も出たが、GK石黒のセーブや再びポストにも助けられ、長野に2点目を許さない。

第1ピリオド残り9秒には田口が岡村へのピヴォ当てから落としをもらい、左足で強烈なシュートを放つも相手GKの好セーブに阻まれ得点ならず。

0-1の1点ビハインドで第2ピリオドへ折り返すこととなった。

 

第2ピリオドは諸江、宮崎、田口、北村のセットでスタート。

このセットに岡村を加えた1stセットと畠山、栗本、渡井、中田の2ndセットで逆転勝利を狙っていく。

まずは1点を取って追いつくために諸江が強烈な右足シュートを放ち、第1ピリオド終盤の勢いをそのままに長野ゴールを脅かす。

第2ピリオド立ち上がりから押し込む時間が続くなか、ついにフウガに待望の得点が生まれる。

24分29秒、畠山が長野陣内でボールを持って相手選手を引き付けると右サイドでフリーの中田にパス。パスは中田のいた位置より少し手前にずれるも、中田はそのボールに対して迷いなく左足を振り抜く。

自陣側へ戻りながらのプレーのため、決してシュートが打ちやすい体勢ではなかったが、振り抜かれたボールは長野ゴールに突き刺さった。

 

これで1-1の同点となり、早い時間で追いつくことに成功したフウガはその後も宮崎や田口が積極的にシュートを放ち逆転ゴールを狙う。

28分には得点をあげた畠山-中田ラインからカウンターを仕掛け、中田がシュートを放つもゴール左に外してしまう。

その1分後には、GK石黒のロングキックを岡村が巧みにキープし、ゴール前のスペースへボールを出して走りこんだ宮崎がフリーでシュートを放つも相手GKがしっかり距離を詰めていたため決めきれなかった。

 

長野のディフェンスをかける位置が下がったことにより、フウガがボールを長い時間保持し、長野はカウンターを狙う場面が増えてくる。

ボールを持つ時間が長いフウガは局面を打開したいが、長野が固めたディフェンスのブロックをなかなか崩せない状況が続き、残り時間は刻一刻と少なくなっていく。

残り時間が3分を切り、セットプレーからの宮崎のゴール前での合わせや岡村の落としからの田口のミドルシュートなどチャンスは作り続けるも決めきれない。

試合時間は残り44秒。

このまま同点での試合終了も考えられる時間帯のなかフウガは諸江、岡村、宮崎、田口のセットが2ndセットに替わって入り、ラストチャンスを狙う。

残り28秒。

田口が前線でのディフェンスから宮崎がボールを拾い田口に戻すと、左ゴール前からシュート性のボールをゴール右に入れる。

詰めに行った宮崎は惜しくも触れられず枠外に流れてしまい、天を仰いだ。

 

それでも諦めず泥臭くゴールを狙うフウガに勝利の女神がほほえむ。

残り14秒。

右サイドで田口→諸江→岡村とつなぎ、岡村の落としは諸江に合わず相手がカットするも、そのボールを田口が拾う。

相手選手がボールを持つ田口に目がいったタイミングで岡村が相手選手の背後をとって、GKとのスペースに入り込む。

その動きを感じ取った田口がピンポイントにパスを通すと岡村はそのボールをワンタッチでそらす。

ボールはゴール左に流し込まれ、土壇場での逆転ゴールが決まった。

自身でも”いつもの自分のゴールじゃない感じ”と振り返るほど、残り時間が少ないことで割り切ってゴールを決めに行くプレーができたことによって生まれた貴重なゴールであった。

長野も諦めずにパワープレーから得点を狙いに来るも、フウガは体を張った守備で守りきり試合終了。

荻窪新体制での初陣、大事なシーズン開幕戦を勝利することができた。

 

荻窪監督自身、非常に緊張していたなかで掴んだ初勝利については、最後まで諦めず泥臭く戦って勝ち点3を取ってくれた選手たちを誇りに思うと称えた。

この日、出場はなかったがFリーグ初メンバー入りとなった村上と崔についても、試合展開上、起用できなかったことは残念だったがチームのためにベンチから盛り上げてくれた姿勢が岡村のゴールにもつながったと評価。

若手選手の台頭にも期待がかかる。

次節はホーム開幕戦となる名古屋オーシャンズ戦。

ホーム墨田区総合体育館での荻窪フウガの初戦は、リーグ屈指の強さを誇る強敵となるがフウガも一体感を持って王者に挑む。