MATCH REVIEW 2021-2022 SEASON #05
2021.7.3 sat フウガドールすみだ vs 立川・府中アスレティックFC
写真と共に振り返るマッチレビュー。第5節、立川・府中アスレティックFC戦を振り返る。
会場:墨田区総合体育館(517人)
スコア:2-0(1-0 1-0)
得点:田口元気(14分28秒) 北村弘樹(30分42秒)
メンバー:諸江 岡村 宮崎 田口 畠山 村上 栗本 渡井 鬼塚 石黒 北村 岸 崔 中田
湘南ベルマーレに2-9に大敗を喫し、悔しい思いでホームの墨田区総合体育館に帰ってきたフウガドールすみだ。
対戦相手は立川・府中アスレティックFCとなり、互いに東京都にホームタウンを持つクラブ同士の”東京ダービー”である。
ジョーや森岡薫といった強力なピヴォを有する立川府中に対してどのような戦いを見せるのか。ホームでの連勝を目指しての一戦が始まった。
この日のフウガのスタートはGK岸にFP諸江、岡村、宮崎、田口の5人。
“湘南戦の結果からも自分にチャンスが回ってくるかもしれない”と自身でも出番を予見していた岸将太が今シーズン初の先発出場。
更に、ホーム墨田区総合体育館での出場は2018年のトップチーム昇格からも初となり気合十分で試合に臨んだ。
試合開始直後に前節の悔しさをぶつけるかのうように田口がミドルシュートを放ち、ゴールへの貪欲な姿勢を見せる。
ディフェンスはいつも通り前線からプレッシャーをかけてボールを奪いにいきつつ、相手のピヴォにボールが入れば強く体を当てて粘り強く対応していく。
1stセットに替わって2ndセットでは畠山、栗本、渡井、中田が出場。
前節湘南戦では出場が無かった渡井が2週間ぶりのプレーとなるも、フィクソの位置に入り幾度も相手のチャンスを潰していく。
それでも、最初に大きなチャンスを作ったのは立川府中。
試合開始5分、自陣でフウガの前プレにかかりかけるも、ロングボールを前線へ通し、左サイドからゴール前に折り返しのボールが入る。
ゴール前でフリーの内田がボールをワントラップし、シュートに移ろうとしたところに岸が素早い反応でトラップ際のボールに体を投げ出すように飛びつきキャッチ。
岸の好判断でフウガのピンチを救った。
7分、フウガは2ndセット栗本から鬼塚に、渡井から北村に替わって出場すると、北村が左サイドから鋭いシュートを放ち立川府中ゴールへ迫る。
対する立川府中はジョーと森岡が同じセットで出場。
ダブルピヴォとして厚みのある攻撃を仕掛け、得点を狙いに来る。
9分、その攻撃陣がフウガ陣内でボールを回して、最後はジョーが反転からシュート。
ここも岸がシュートコースにしっかりと面を作ると、ボールは岸の体に当たり枠外へ飛んでいくビッグセーブとなる。
11分にもコーナーキックから強烈なボレーシュートがフウガのゴールマウスを捉えるもゴールライン上にカバーに入った宮崎が頭で跳ね返し、ゴールを割らせない。
その1分後には立川府中・新井に入ったボールをカットしようとした中田が入れ替わられてしまい、キーパーと1対1のピンチになるが再び岸が立ちはだかる。
“これまでにもピヴォに入れ替わられてのシュートというケースは数回あったので、常にその瞬間は狙っていた”という岸の言葉通りに、出足の早いポジショニングから距離を詰め、シュートをブロックした。
試合展開としては押されながらも、岸の好セーブをはじめ粘り強く耐えていたフウガがここでチャンスを掴む。
15分、クリアランスでボールを受けた宮崎と諸江のパス交換から諸江のロングボールを宮崎が右サイドで受ける。
宮崎はトラップで相手の逆を取ってカットインし、中央の岡村へパス。
受けた岡村は右サイドのスペースへ走る田口へ丁寧にラストパスを通すと、田口が右足ダイレクトシュートをニアサイドに突き刺した。
この日、30歳を迎えた田口のバースデーゴールでフウガが先制に成功する。
先制後も、ボールを保持する時間は立川府中が長く、強いシュートを受けたりゴール前に抜け出される危ないシーンもあったが、北村や諸江の体を張ったディフェンスや岸のセーブで守り切り、1点リードのまま第1ピリオドを終えた。
第2ピリオドが始まり、フウガは試合開始と同じセットでスタート。
すると、開始すぐに右サイド深いエリアで岡村がボールをキープ。
相手選手2枚にマークにつかれるも、粘りに粘ってこれを突破してペナルティエリア内に侵入からゴール前にパス。
宮崎がこのパスに合わせるも上手くミートせずシュートはキーパーのもとへ飛びキャッチされてしまう。
このプレー後も、フウガは岡村や畠山にボールを当てる流れから第1ピリオドよりもシュートまで持ち込むシーンが増える。
右サイドでの鬼塚が相手を1枚かわしてからの強烈な右足シュートも、立川府中・山田の好セーブに防がれてしまった。
対する立川府中も負けじとカウンターでのチャンスを作りつつ、24分にはフリーキックから直接ゴールを上村が狙うもシュートはバーを叩いて決めきることができない。
その後は互いに攻め込むシーンは作るもシュートまでいけず決定的な場面とはならない状況が続く。
それでも29分に立川府中の内田が中央からミドルシュートを放つ。
ボールは左ポストに当たってこぼれ球を栗本がクリアし、難を逃れた。
対してフウガは前線で相手の横パスを中田がカット、ゴール前にボールを送り込むもカットされてカウンターとなる。
2対3の数的不利な状況となるも、立川府中のゴール前にいた栗本が懸命に自陣に走り戻って森岡のシュートに滑り込みながらブロック。
この試合キャプテンマークを巻いた栗本がチームを救う全力プレーを見せた。
試合も残り時間10分を切り、互いに決め手を欠く中でついにスコアが動く。
鬼塚が相手のパスミスを自陣で拾い、そのままドリブル。
正面から寄せてきた相手選手を華麗にかわしてさらドリブルで突き進む。
3対1の優勢な状況で相手をひきつけて右サイドのフリーの北村へパスを出すと、北村はダイレクトで合わせて右足シュート。
これがキーパーの脇下をすり抜けてゴール左のサイドネットに突き刺さった。
貴重な追加点がフウガに入ってスコアは2-0となった。
点を取るしかない立川府中はジョーを狙ったボールを入れて更に圧力をかけていくも、フウガはボールを入れさせないためにプレスをかけつつ、北村を中心にしっかりと競り勝ち攻撃を跳ね返していく。
攻撃では34分に田口のボール奪取から3点目を狙うチャンスがあったが、ゴール前でパスを受けた中田のシュートは枠外に外れてしまった。
残り時間が5分近くになったタイミングで立川府中はパワープレーを選択し、フウガゴールをこじ開けに行く。
するとパワープレーから皆本が左から強烈なシュートを打つも、集中を切らさない岸が左足でセーブしゴールを守る。
その後もパワープレーでボールを回される時間が続くが、フウガは連携したディフェンスからいい位置でシュートを打たせない。
試合時間は刻一刻と過ぎていき、ついにタイムアップ。
2点のリードを守りぬきフウガが東京ダービーを制した。
無失点での勝利に、荻窪監督は“岸が集中してゴールを守ってくれて、全員がハードワークをして戦ってくれた結果なので本当に素晴らしかった”と振り返り、栗本も“なかなか出番がなかった岸が体を張ってゴールを守ってくれた”とこの試合大活躍の岸を称賛した。
本人は“自分で止めたと思えるシュートセーブもあるが、無失点で終えられたのはフィールドの選手たちが何度もシュートブロックで体を張ってくれたから”とチームメイトに感謝を述べた。
小学生のときからフウガを応援し、それから何年もの時間と努力を積み重ね、憧れたフウガドールすみだの選手としてFリーグの舞台でホームのピッチでプレーした最高の気持ちを岸は忘れないだろう。
次節はアウェイでのエスポラーダ北海道戦。
チームとしては3度目の正直で今シーズン初の連勝を達成したいところである。
そのために良い準備をして全員で勝利にこだわった戦いに期待したい。